麻布台ヒルズ「MATTE」で体験。0.03mmの口どけコルテッチャ。
新しい文化のうねりが生まれる街、麻布台ヒルズ。その一角、活気あふれる麻布台ヒルズマーケットに、ひときわ洗練されたカカオの香りを放つ一軒があります。
『MATTE Bottega del Cioccolato(マッテ・ボッテガ・デル・チョッコラート)』。
「Bottega」はイタリア語で「工房」、「MATTE」は「夢中な」を意味します。その名の通り、ここはチョコレートに夢中な職人たちが集う工房。
この記事では、単なるスイーツの枠を超え、イタリアの伝統と革新的な技術が交差する、この小さな「工房」の魅力に迫ります。なぜ人々がここに「夢中」になるのか、その理由を探しに出かけてみましょう。
お店の基本情報
- 店舗名: MATTE Bottega del Cioccolato (マッテ ボッテガ デル チョッコラート)
- 住所: 〒106-0041 東京都港区麻布台1丁目2−8(麻布台ヒルズ ガーデンプラザC 地下1階 麻布台ヒルズマーケット内)
- アクセス: 東京メトロ日比谷線「神谷町」駅 5番出口直結
- ウェブサイト (Instagram): @matte_azabudaihills (https://www.instagram.com/matte_azabudaihills?igsh=bmo3ZTUydjZ1ZmZh)
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「工房」に息づく、本物への情熱
このお店を手がけるのは、かつて「マリトッツォ」ブームを牽引したことでも知られるマッテオ・サンクリッカ氏。彼のイタリア食文化への深い造詣と情熱が、この「Bottega」にも脈々と流れています。
『MATTE』が目指すのは、単なるチョコレートの販売店ではありません。イタリア各地に根付く、まだ日本であまり知られていない伝統的なお菓子や、革新的なアイデアを融合させた新しいチョコレート体験を提供する「発信地」です。
麻布台ヒルズという最先端の場所でありながら、一歩足を踏み入れると、そこはまるでイタリアの街角にある老舗の工房のような空気感。ショーケースに並ぶのは、宝石のように磨き上げられたチョコレートや、素朴ながらも職人の手仕事が感じられる伝統菓子たち。
価格だけを見れば、日常のおやつとしては少し贅沢かもしれません。しかし、その一粒に込められたストーリー、希少な素材、そして何より「体験」としての価値を考えれば、それは自分自身の感性を磨くための「価値ある投資」と言えるのではないでしょうか。本物を知る喜びが、ここにはあります。
テクスチャー(食感)との出会い:体験レビュー
まず試してみたのは、ショーケースの中でもひときわ濃厚な色彩を放つジェラートです。選んだのは「CIOCCOLATO FONDENTE(ダークチョコレート)」。
【体験レビュー:ジェラート (CIOCCOLATO FONDENTE)】
スプーンが吸い付くような、ねっとりとした密度。口に運ぶと、まず感じるのは驚くほどの滑らかさです。そして、次の瞬間、カカオの力強いアロマが鼻腔を駆け抜けます。
よくある「甘い」チョコレートアイスとは一線を画し、カカオ豆本来が持つフルーティーな酸味や、焙煎の深みが複雑に絡み合っています。甘さでごまかさず、素材の力強さで満足させてくれる。それでいて、後味は驚くほどクリア。上質なカカオでしか表現できない、見事なバランス感覚です。
このジェラート一つとっても、この店の「本気度」が伝わってきます。
工房の真髄:おすすめしたい三つの「体験」
『MATTE』の魅力は、ジェラートだけにとどまりません。ぜひ注目してほしい、三つの「体験」をご紹介します。
【1. CORTECCIA (コルテッチャ) : 0.03mmの衝撃】
この店のスペシャリテ(看板商品)が、この「コルテッチャ」です。一見すると、木の枝か樹皮(コルテッチャ=樹皮)のようにも見える、不思議な形状。
これはナポリの伝統菓子から着想を得たオリジナルで、最大の特徴は「0.03mm」とも言われるその驚異的な薄さ。専用の機械を使い、コンマミリ単位でこだわり抜いて生み出されます。
パリパリ、サクサク、ホロホロ。どの言葉とも少し違う、全く新しい食感。薄いチョコレートが何層にも折り重なり、口に入れた瞬間に空気を含みながら、はかなく溶けていきます。
体験のポイント:
舌の上で溶けるのではなく、まるで「消えてなくなる」ような感覚。その刹那に、カカオの香りが爆発的に広がります。
「ネーロ(ダーク)」のビターな深み、「柚子」の爽やかな香り、「キャラメル」のコク。フレーバーごとに異なる香りの立ち方を探るのも、知的な楽しみです。
【2. ジェラート (各種):素材への探求心】
先ほどレビューしたダークチョコレートはもちろんですが、他のフレーバーも見逃せません。
定番の「ストラッチャテッラ(ミルクベースにチョコチップ)」や、季節の素材を使ったものまで。
体験のポイント:
注目したいのは、ジェラートにこの「コルテッチャ」をトッピングできること。濃厚で滑らかなジェラートと、パリパリと繊細なコルテッチャ。二つの異なるテクスチャーが口の中で出会うことで、味わいはさらに多層的になります。
【3. イタリア伝統菓子:まだ見ぬ食文化の扉】
ショーケースには、コルテッチャ以外にも、日本ではなかなか出会えないイタリアの伝統菓子が並びます。
例えば、プーリア州の「ソスピーリ(ため息、という意味)」。アーモンドプードルを使った生地にクリームを詰めた、愛らしいお菓子です。また、カラブリア州のアイスクリームケーキ「トゥーフォ」など、その土地の文化に根ざしたラインナップは圧巻。
体験のポイント:
チョコレート専門店でありながら、イタリア全土の「Bottega」を巡るような体験ができること。それが『MATTE』の真の価値かもしれません。訪れるたびに、新しいイタリアの物語に出会える。そんな期待感を抱かせてくれます。






まとめ:好奇心を満たす、本物の「工房」
『MATTE Bottega del Cioccolato』は、単に甘いものを消費する場所ではなく、チョコレートという素材の可能性、そしてイタリアの奥深い食文化を「体験」させてくれる場所でした。
「新しさ」とは、必ずしも奇抜さの中にあるわけではない。
このお店の「コルテッチャ」を体験して、そう感じさせられました。
「0.03mmの薄さ」という新奇性。それは単なる話題作りではなく、カカオの香りを最も効果的に、最も繊細に届けるための、計算され尽くした「必然」でした。伝統的な技術や知識を深く掘り下げ、そこに現代の解釈を加える。まさに「工房(Bottega)」の名にふさわしい、職人の探求心と論理的なアプローチが、あの一粒に凝縮されています。
本物の味とは何か、その本質に触れたいと願う、知的好奇心旺盛な大人たちへ。
麻布台ヒルズで、イタリアの職人たちが「夢中」になって生み出した芸術的なチョコレート。ご自身への上質なご褒美として、また、大切な方へのセンスが光るギフトとして、この扉を開けてみる価値は十分にあるはずです。
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