『油そば マイケル 御茶ノ水店』で体験する、懐かしくて新しい「本格派」の遊び心。
知的好奇心を刺激する街、御茶ノ水・神保町エリア。古書店や楽器店が軒を連ねるこの界隈で、ひときわ目を引くポップな看板があります。その名は『油そば マイケル 御茶ノ水店』。
店内に足を踏み入れると、BGMはもちろんマイケル・ジャクソン。オレンジを基調としたアメリカンテイストの空間は、一見するとカフェやダイナーのよう。しかし、ここで提供されるのは、驚くほどに「本格派」な一杯の油そばでした。
この記事では、クラシカルな王道とジャンキーな遊び心が見事に共存する、このお店の魅力の核心に迫ります。定番の味を愛しつつも、常に新しい刺激を求める人々にとって、ここは間違いなく注目のアドレスとなるはずです。
お店の基本情報
- 店舗名: 油そば マイケル 御茶ノ水店
- 住所: 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目22
- ウェブサイトURL: https://www.instagram.com/aburasobamichael/
- GOさんぽ
https://gosanpo.com/listing/841/ - GOJAPAN BLOG
https://blog.gojapan.net/?p=956 - Trip GOJAPAN
https://trip.gojapan.net/archives/896
なぜ「マイケル」は人を惹きつけるのか
このお店のコンセプトは「遊び心ある本格派」。その言葉通り、空間演出のポップさとは裏腹に、油そばそのものへのアプローチは非常にストイックです。
そのこだわりは、まず麺に表れています。使用されるのは、老舗の三河屋製麺と共同開発したという特製のちぢれ中華麺。噛むたびに小麦の豊かな香りが立ち上り、もちもちとした強い食感が特徴です。この麺が、主役としての存在感をしっかりと主張します。
そして、その麺を受け止めるタレ。丼の底に潜むのは、コク深いラードとキレのある醤油カエシ(タレ)を合わせた、伝統的なスタイル。油そばの元祖とも言われる武蔵境の名店「珍々亭」を彷彿とさせる、どこか懐かしさを感じるクラシカルな味わいです。
ポップな空間で、BGMに耳を傾けながら、本格的な武蔵野スタイルの油そばをすする。この心地よいギャップこそが、「マイケル」が持つ独自の魅力の源泉なのでしょう。
また、学生街という土地柄、そのコストパフォーマンスも見逃せません。麺は並盛でも225gと十分なボリューム。さらに、店内には無料の黒ウーロン茶やデトックスウォーターが用意されています。油そばという、その響きに少しだけためらいを感じる心に、そっと寄り添ってくれるような細やかな配慮が嬉しいポイントです。
シズル感溢れる、実食レビュー
メニューは少数精鋭。基本の「油そば」に、トッピングで個性を加えていくスタイルです。今回は、その中でも特に注目したい3つのメニューをご紹介します。
【おすすめ1:油そば(並)】
まずは、このお店の「基準点」を知るために、最もベーシックな一杯から。
カウンターに置かれた丼は、鮮やかなオレンジ色が印象的。具材は厚切りのチャーシュー、メンマ、ナルト、そして刻みネギと、まさに王道の顔つきです。
丼の底に眠るタレと麺が均一に絡み合うよう、全体を丹念に混ぜ合わせます。麺を持ち上げると、湯気と共にラードと醤油の香ばしい香りがふわりと立ち上りました。
特注のちぢれ麺が、タレを余すところなく抱え込んでいます。一口すすると、まず感じるのは麺そのものの力強い弾力と小麦の甘み。続いて、ラードのまろやかなコクと醤油カエシのキリリとした塩味が追いかけてきます。シンプルでありながら、そのバランスは絶妙。厚みのあるチャーシューは、見た目以上に柔らかく煮込まれており、クラシカルな一杯の中で確かな満足感を加えてくれます。
卓上にはラー油、酢、一味唐辛子、ブラックペッパー。まずはそのまま半分ほど味わい、次にお酢とラー油を回しかけるのが定番の楽しみ方。お酢の酸味が全体の輪郭を引き締め、ラー油の辛味が食欲をさらに加速させます。基本に忠実、だからこそ飽きがこない。これぞ「本格派」の所以です。
【おすすめ2:特製油そば】
「油そば」に、フライドガーリックとマヨネーズが加わったのが「特製」。
王道の一杯が、この2つのアイテムによって一気に「遊び心」全開の表情へと変化します。
フライドガーリックの香ばしいアロマと、マヨネーズのジャンクなコク。これが、元々のタレの旨味とぶつかることなく、むしろ旨味の層を厚くしていきます。特にマヨネーズは、油そばのタレと出会うことで乳化し、麺にねっとりと絡みつくクリーミーなソースへと昇華します。クラシカルな味わいに、背徳的なパンチが加わった、中毒性の高い一杯です。
【おすすめ3:マイケルスペシャル】
そして、お店の名前を冠したシグネチャーメニュー、「マイケルスペシャル」。
これは「特製」のトッピングに加え、卵黄、鰹節、チャーシュー増し、そして謎めいた「マイケルナッツ」が追加された、まさに全部乗せの一杯です。
ひときわ好奇心をそそられるのが「マイケルナッツ」。その正体は、甘くコーティングされたクラッシュピーナッツでした。油そばに、甘いナッツ?
期待と少しの戸惑いを胸に、すべての具材を大胆に混ぜ合わせます。
卵黄が全体をまろやかにまとめ上げ、鰹節が和の風味を添える。そこに、フライドガーリックの香ばしさ、マヨネーズのコク、そしてチャーシューの旨味が重層的に押し寄せます。
そして、マイケルナッツ。これが驚くべき調和を生み出していました。時折感じる「ガリッ」という硬質な食感と、砂糖の「甘み」。これが、塩味と油の中で強烈なアクセントとして機能します。甘み、塩味、酸味(酢)、辛味(ラー油)、旨味が複雑に絡み合い、一口ごとに表情が変わる。これはもはや、油そばというジャンルの境界線を押し広げるような、カオティックで刺激的な体験です。





まとめ:定番を知る大人にこそ、試してほしい「遊び」
『油そば マイケル 御茶ノ水店』は、懐かしくも美味しい王道の油そばという「型」を深くリスペクトしながらも、トッピングという「遊び」によって、その新たな可能性を提示してくれる場所でした。
まずは王道の「油そば」でその実直な美味しさに触れ、次に「マイケルスペシャル」でその大胆な遊び心に驚く。そんな二面性こそが、このお店の最大の魅力です。
伝統的な油そばを愛する方はもちろん、いつもの味に少しだけ新しい刺激を求めている、好奇心旺盛な方にこそ、ぜひ足を運んでいただきたい一軒です。
「クラシックなものに確かな敬意を払いながら、そこに自分らしいアレンジを大胆に加えて楽しむ。まるで、上質なツイードジャケットに、あえてポップなスニーカーを合わせるような感覚。定番の良さを知っている大人が、安心して『遊べる』場所ですね。無料の黒ウーロン茶が用意されている点も、細やかな気遣いが感じられて好印象です。」
- GOさんぽ
https://gosanpo.com/listing/841/ - GOJAPAN BLOG
https://blog.gojapan.net/?p=956 - Trip GOJAPAN
https://trip.gojapan.net/archives/896



